柳龍光vs本部以蔵を考えてみよう。
そもそも本部が1vs1のヨーイドンで闘うタイプではなく、最凶死刑囚とか花山といった連中同様に『日常の延長線上にある殺し合い』こそが本業の人間であった、と考えてみると、割と本部の勝利に関しても違和感はないのではないかと思う。思いたい。ってか本部好きなんです思わせてくださいお願いします。
ジャングルジムを背にすることによって風神鎌を封じたり、相手の動揺を誘うだけ誘った挙句に斬りかかると思わせておきながら刀をブン投げてフットワークを封じたり、柳の毒手を斬り落としたり。おお。相手の戦力を削ぐことが前提だ。合理的。冷静に考えれば指取りもそうだし、本部がもともとそういう世界の人だってのは間違いなさそうだ。たぶん。
対して柳。こいつはまぁ、描写だけ見ると『攻め手は強いけど守りに入ると辛い』っていうタイプですな。こいつが"攻撃を防いでいる"っていう状態が思い浮かばねーし。攻撃偏重ってのは実にSRC的な思考だけど、そう間違ってもないんじゃねーかなぁ。風神鎌も毒手も空道も鞭打もそうですが1撃で人を倒せたり一方的に攻撃するタイプの技ばっかりなので、守りに徹して攻撃を誘い、その力を利用して反撃する達人とはある意味で最悪の相性かもしれぬ。そりゃ負けるわ達人。
んで、力量は明らかに柳>本部であったのに、何故柳は負けたのか。簡単に考えると本部は武器術で闘ったのに対して、柳は武器で戦った、ってことじゃないかなーと思った。本部は手にした武器を最大限に利用して戦うのに対して、柳は特定の武装を極限まで磨き抜いてそれに頼っていたので、封じられた瞬間に激しく動揺して、挙句に本部如きに敗北を喫することとなった、と。なんかこう書いてると柳は『武器術を使う正規の格闘家』であり、死刑囚よりはむしろ最強トーナメント参加者に立ち位置は近いのではなかろうか。地形や環境を最大限戦闘に生かすという意味では本部こそがむしろ死刑囚側ではなかろうか。ドイルの『所詮はスポーツだな』ってことなんでしょうか、つまりこの2人の差ってのは。違う気がするな。まあいいや。
脈絡なく購入報告。