なんとなく毒について興味を持ち検索してみる。

ズグロモリモズ(Pitohui dichrous)についての言及とか。THE 推理でちょっと出てきたのが大きな理由なのだけど、元々こういうのは嫌いではないので、毒性のある鳥類の存在とか知らなかったので興味津々なのでありました。

毒性最強の鳥は、ズグロモリモズ(Pitohui dichrous)で、その皮膚 10mgの抽出エキスをマウスに皮下注射すると、痙攣して18-19分で死亡。羽毛25mgのエキスでも15-19分で死に致る。この毒性は骨格筋も示すが、心肝胃腸等には認められていない。毒性の強いPitohui dichrousに擬態す るカワリモリモズ(P. kihocephalus)は、皮膚20mg相当のエキスで16-18分、羽毛50mg相当のエキスでは19-27で、マウスを痙攣ののち死亡させる。しかし胸の筋肉と心肝胃は毒性を示さない。また同属のサビイロモリモズ(P. ferrugineus)も、皮膚40mg相当エキスの皮下投与で30分-40分後にマウスを死亡させるが、羽毛と胸の筋肉に毒性は認められていない。
■Pitohui dichrousは、ヒトに対して一羽で重篤な毒性を十分に 示すだろうという。分析の結果、これら毒性の主成分はステロイド系alkaloidの神経毒、ホモバトラコトキシンと確定された。動物実験でマウスにホモバトラコトキシン3μg/kgで投与マウス群の半数が死亡する。これとモリモズ属各鳥の毒性試験から類推して、ホモバトラコトキシンは65gのズグロモリモズで皮膚に15-20μg、羽毛に2-3μgが含まれる。85-95gのカワリモリモズでは、皮膚に6-10μg、100gののサビイロモリモズでは皮膚に1-2μgが含有されると概算された。しかもホモバトラコトキシン(homobatrachtoxine)及び同類毒のバトラコトキシン (batrachtoxine)はコロンビア産のカエル(Phyllobates aurotaeniaなど)にもあり、皮膚の汁は矢の毒に利用されている。
■batrachtoxine:ネズミLD50(皮下)2μg/kg、現在知られている毒物の中で最も強 く、ボツリヌス毒素に匹敵する。低分子量の毒で、半数致死量は僅か0.002mgで、神経膜にあるナトリウムチャンネルが閉じるのを妨げ、神経や筋肉の機能を停止させる。脂溶性
■homobatrachtoxine:ネズミLD50(皮下)3μg/kg。
■Pitohui dichrousを捕捉したとき噛まれた傷口をなめたとこ ろ、口内が痛み、痺れが発現した。更に羽毛を舌にのせたところ、クシャミが出て、口と鼻の粘膜に麻痺と灼熱感を即座に覚えたという。