中身は隅から隅までたかしげ宙ワールド。
単分子サムライソードに関する長所と短所についてキチンと説明しつつ、その短所をカバー出来る主人公の技量を語るあたりが流石たかしげ宙さんだ。あえて盲目、あえてサムライソード。その安っぽいライトノベルの如き陳腐な設定をハイテクで裏付ける手法もまたたかしげ宙クオリティ。
盲目の主人公に3D映像として視覚を提供するサングラスの有用性を解くだけなのはその辺の漫画だけど、ちゃんとした欠点の提示とそれをカバーするための別のアイテムの存在および主人公の堅実な行動を描くのもいい感じだ。
そして正義の味方ネットワークという魅力的な設定に、死が二人をわかつまで――というお芝居じみた依頼。いやガチッと捉まれたね。ハートを。
いや、後書きだと随分自虐的な書き方してるけど、絵だってとてもいい感じだし、この手のアクションでここまでキチンと「主人公たちがどんな風に動いてアクションが成り立ってるか」っていうのがよくわかる丁寧で良い絵だと思うのよ。そういう意味ではBLEACHとかNARUTOがまったく出来てないことを完全に出来てるわけだし、もっと誇っていいと思うけどなぁ。
ただ良くも悪くも淡々とアクションが続くので、今後のストーリーにもよるけどそのあたりは改善の余地があるのかもしれない。