パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

デッドマンズ・チェストォォォォ!
まあ、1作目を見たあとで、何も考えずに見る分には面白いと思うんだ。1作目を見ておらず、見ながらごちゃごちゃ考えてしまう僕でも、まあ、その、面白くないわけではなかったくらいだから。
正直に言おう。一作目を見ていない僕にはいったい誰に感情移入していいのかすらよくわからず、ヒロインの悪党っぷりが輝き過ぎており、その途中のいかにもアメリカ的なギャグシーンの浮き方といったら目を覆わんばかりであり、最後の最後で戦う気力を振り絞るジャック・スパロウは唐突感あふれていた。
野蛮人のエピソードは完全に尺伸ばしであったし、脇役のキャラクターは立ってないし、「あ、これ三部作だし知りたいのなら三部も見れば?」といった根性丸出しですべて投げっぱなしの複線も酷ければ、御都合主義にまみれた話の流れも酷いし、まったく生かされていない設定群も酷いし、逆に説明が少な過ぎる部分が多過ぎるのも酷い(このあたりはたぶん西洋人的な共通認識に僕が付いていけてないのだろうと思うけれども)。幽霊船はもうちょっと恐怖を演出できたはずだよう。
クラーケンの口から出てくる帽子とか面白い演出もあちらこちらに見られたけれども、オーランド・ブルームがいい男であったことを除けば、世界的に取り沙汰されるほどの作品じゃないよなあと思う。
ディズニーのネームバリューと、資金力と、オーランド・ブルームキーラ・ナイトレイの美形力でそこそこに仕上げてる感覚は否めず、正直どうかと思う。3作目も見に来るかなあと思わせるあたりが腐ってもディズニーといったところか、それとも複線の山に僕が惑わされているだけか。どちらか。
ディズニーの新作の「ライアンを探せ!」も使い古されたネタを動物でやることで誤魔化してるだけだし、ディズニーはどうも最近(…というほど最近だけではないけど)奮わないよなあ。うーむ。