はてな年間100冊読書クラブ:034
- 作者: 隆慶一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/08/31
- メディア: 文庫
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先日ヴィンランドサガで見た『俺は老い、おまえは成長する。いつか殺される日も来るだろう』という言葉は随分とこう、なんというか、冷静に世界を見てるなぁという気がして(冷静になるまでも当然のことではあるのだがそれが自分の発想として頭にあるのがスゲエと思う)、「(まだ若いからか)俺にはない発想だな」驚いたものだが、この話はまさにそれを体言してるな。
海道一の弓取りとさえ言われた稀代の名将・徳川家康でさえも老いさらばえて衰えていき、残忍で酷薄で驚くほどに愚劣だった徳川秀忠はしかし、まだ若い。いくらでも成長する余地がある。
粘り強くいつまでも苦渋を舐めているだけのはずだった秀忠は、その苦渋の味を理解し、成長してのけるのだ。他でもない、自分に苦渋を与える徳川家康の手によって。
上巻中巻は絶賛するほど面白いとは思わなかったけれども、下巻は話が違う。最高に面白かった。
どうでもいいが、風斎と島左近はいったい何歳まで生きるんだ。左近は二郎三郎より二ツ上だし、風斎はどう考えても家康より年上だろう。いつまでも強過ぎるぞこいつら。
次何を読むかな。一夢庵風流記でもいいが、司馬さんの関ヶ原も読みたくなってきた。司馬さんは家康嫌いらしいからアレかもしれんけど。真田信繁関連書物も漁りたい。GUN道のIf設定を見ただけでたまらない体になりつつある。