はてな年間100冊読書クラブ:049

国盗り物語(四) (新潮文庫)

国盗り物語(四) (新潮文庫)

こんなに明智光秀が人間味あふれる本ははじめて読んだかもわからんなー。
amazonのレビューでもあったけど、つうか上にも書いたけど、義務教育時代の僕の明智光秀像ってのは単なる謀反人であって、この年齢になっても「何ゆえ裏切ったのか未だによくわかっていない」らしい、ということを聞き及ぶ程度であったのだが、いや、いい感じだ。こんなに優秀な人間だったのか、というのが新鮮だった。秀吉か、光秀か。というレベルであるとするのならば、本能寺の変後、秀吉が天下を取ったのも当然なるかな。
しかしこの世渡りの下手さにはイライラ通り越して呆れるな。「こういうことをいったら信長がブチ切れる」ってことをあえて言っているようにしか見えない。
松の木を命がけで取ってくるエピソードにしたってなあ。「松の木があったほうが格好いいので取ってきました」とかなら信長爆笑だった気がするし、秀吉は随分うまいことやっているのにもかかわらず、よりにもよって論理的にどれだけ松の木が素晴らしいか必要であるかを論ずるとかいうのは空気が読めないとかいう次元じゃないぞ。
いや、しかし面白かった。読んで面白くなかった本はだいたい売る路線で最近整理しているのだが、これはとっておこう。