はてな年間100冊読書クラブ:058

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

星新一が実は欧州生まれの欧州育ちでした、とかだと恐らくはこういう本を書くのだろう。そんな雰囲気は確かに童話的であって、世界中で売れてるというのも、なるほど、もっともなことだ。
ただ、日本的ではない、のだな。ふむ。大いなる意思に注意を向けて生きよというのは、たとえば精霊信仰とかであってもかまわないが宗教的な思想が少なからず根底にある人が考えることであって、そういうものから一切隔絶されて育ったジャパニーズである僕とかは、これを見ても、確かに面白いとは思ったし絶賛する人たちの気持ちは大いに理解できるのだが、しかし価値観の隔絶を感じる。
こういうところは日本人に生まれて損だと思うところだなー。
そしてアルケミストという単語にほとんど意味がないあたりが素敵だ。
錬金術のカテゴライズが広すぎる。