はてな年間100冊読書クラブ:045-46

新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)

新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)

新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)

新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)

荒木村重がこんなふうに描かれているのは珍しいんじゃないか、と思った。
戦国時代に興味のない人間はほとんどその存在すらも知らぬということはザラであるという割りに、しかし信長軍団における荒木村重は有力者といえるレベルであるというちょっと矛盾があるわけだが、要するに末路が酷すぎて後世の人にはなはだ好感を与えなかったということになろう。その村重をこんな風に書けるというあたりが流石は司馬遼太郎ということになるのだろうか。英雄的な男、英雄的な男。うむ、便利な言葉だが、この便利な言葉を思いつくかどうかが分かれ目だな。
面白くするために時系列をおかしくする、というのは手法のひとつとしてはアリだろうと思うが、しかし個人的にはどうかなあ。吉川英治はそういう手を割りと多用するという意味で安易に走っているともいえ、そうすると俺は司馬さんのほうが好きだなあ、ということになるのか。まあどうでもいいが。