画像はサウンドトラック。
親友の三国志マニアから感想を聞いていたのでそういうものであろうと思って行ったのは行ったのだが、しかしそれでも素手(投げるとか捨てるとかじゃなくて最初から最後まで素手)で敵の群れに突っ込んでいく張飛は新し過ぎる。ブルドーザーのように敵をなぎ倒していくその様といったらどうであろう。
中国映画? だよね。というのは、映画見ている人にはわかってもらえると思うんだけども、中国映画というのはどうも間の取り方が特徴的で僕の気質にはちょっと冗長に感じるところがあるのだが、この映画も例外ではなくそのような具合だった。濡れ場未満の濡れ場とでもいおうか。いや、もしかしてジョン・ウーの趣味なのかもしれんな、この間の取り方は。
勿論そういうシーンだけでなく、なんだろう、琴を弾くとかもそうだが、あのシーンそのものの是非はとにかくとしてあそこまで執拗にやる意味があったのだろうか疑問であったりするわけで、まあ、そういうのも全部含めて中国映画ということになるのだろうが、そういうところはどーも、よくもわるくも西欧の映画に浸っている僕にはのめり込むほどに面白いとはちょっと思えず、たまに西欧の映画でも「キリスト教的価値観が前提にある恋愛ストーリー」みたいなのがあるが、そういうのを見たあとの「そうでない人間にとってのどうにもならなさ」的なものを感じて終わるような、そういう映画だった。
いや面白かったんですがね。そのあたりを西欧的なまとめ方をすれば、3時間で赤壁の決戦までやれたんじゃないかという気もするわけで、そういう意味で要は冗長な映画だったというような意識がどうも拭えない出来栄えであったように思う。関羽張飛趙雲もそうだが、赤壁の時点では死なないことはわかりきっているためどれだけピンチになってもなんということもないのだが、そういうのも(俺の中で)よくないほうに働いているような気はする。
あとどうでもいいが、孫権の妹がムカつき過ぎる。政略結婚が嫌いとかいう話を挟むのもアレだが、この状況下で同盟相手の君主を酷いめにあわせるというのは同盟を切るわけにはいかない相手国の弱みに付け込むような暴虐といえるわけで、(必死でこらえているという見方も出来るが)張飛あたりが激怒しなかったのがフシギでならない。