意外と面白かった。題名からいくといかにもライトファン向けの本という感じで何故俺はこんな本に千円近くも費やしたのかという自責の念に(いつものように)浸されて精神的に打ちひしがれていたのだが、読んでみたら戦国時代を中心にして、たとえば島津なんかは源頼朝の子孫を称しているわけだが、そういうつながりで藤原氏がどうのその四男がどうの源氏が平氏が分家が宗家が改易が転封が先祖が子孫がといった話で明治時代まで(つうか戊辰戦争あたりまで)にどの県のどんな連中が広まって反映して、というのを時折グラフを使ったりしながら、かつ政治の方面から切り込んでいくという、タイトルを見て誰が想像するのかといった内容の本だった。
とはいえ、たかだか三百ページ超の本で全国の大名どもを網羅しようというのがそもそも無理に決まっているため、1項目ごとの内容が必然的に薄くなってしまっており、すげえ駆け足で年表のごとく出来事が語られて付いていけない。後期戦国時代に入ってからなら充分な予備知識があるので年表とか事実の列挙でも充分ついていけるんだが、南北朝時代とか前期中期の戦国時代はどーも専門外でよくわからん。
坂上田村麻呂蝦夷征伐前後くらいから家康入封くらいまでの(あるいは大阪の陣くらいまでの)関東の動向とかをまとめた本があれば、五千円くらいまでなら出すんだがなあ。つうかまあ、普通にありそうなのでちょっと探してみようかね。「THE 関東の歴史」みたいな本はねえものか。