義風堂々 1-2

義風堂々!!直江兼続前田慶次月語り 1 (BUNCH COMICS)

義風堂々!!直江兼続前田慶次月語り 1 (BUNCH COMICS)

こんな原作リスペクトをやる気のない漫画は久しぶりにみた気がする。
つうか、つうか。花の慶次以降というべきか「かぶき者というのはこうあるべき」みたいな像が明確に存在してしまっており「直江を生き生きと描こう」ではなく「よくある類のかぶき者を描こう」としている感じがあるわけだ。直江である必要性というのはまったくなく、要はそのバックボーンが必要というのみであって、要は「劣化前田慶次郎利益」であるため焼き直し感もありありとし、で、その「かぶき者としての」ってのは今となっては完全にカタにハマった一山いくらのキャラ造詣であるため新鮮さもなく、巻き起こる事件もそれの対処法なども影を映したようにならざるをえず、しかも樋口与六が謙信の実の息子であるなどという超展開を成し遂げるという意味不明。上杉ファンを根こそぎ切り捨てるにもほどがあろう。
そもそも直江の原作的キャラクターの切れ端すらも現時点で見えないというのはどうなんだ。本当に花の慶次の外伝を描く気があるのか。ないんだろうな。
なんだ、なにがしたいんだ。これが謙信の神通力的な戦闘力とそれに基づく越後勢の結束力に楔を打たんとする信長の偽報であるというならばまだ面白くもあろうがちっともそんなふうには描写されないあたりから特に「もう駄目だ」感が溢れ出ておる。
期待して損した、と思った漫画は久しぶりだぞ。バンチはもう長くねーんじゃねーか、と思った。こんな漫画がのさばってるようでは。