内輪ウケに走ったというべきか、なんというか。
俺はこの映画は少しも面白いと思わなかったので、ターミネーターシリーズのファンの方は気をつけて読んで下さい。
ストーリーそのものが二十年まえのものをそのまま使っているので、もう相当に酷い。シュワちゃんの家族はシリーズ最高傑作だとかわめいたらしいが、正気の発言とは思えない。
話の細かいところでも相当突っ込みどころ満載であり、いや、なんでこんな危険な時勢で武装を全部おきっぱなしなんだよ、とか、なにもかもスカイネットの思惑通りにことが進んでいるのになんで負けてんだよ、とか、おまえらもしもハンターキラーがフリーズしなかったらどうやって逃げるつもりだったんだよ、とか、基地であそこまでドンパチやってたのにスカイネットの監視網にはひっかからねえのかよ、とか、実際決戦の勝利はすべて偶然の産物であり、基地は破壊できてもこちらは司令部が消滅したわけで、相手方ではT-800の量産体制が進んでるんだからもうどうかんがえても先行き真っ暗なのに、なんでおまえらそんなに明るいんだ。なにを考えてるんだ。あるいは、なにも考えてないのか。
ファンならば充分楽しめる映画であったということだが、俺の目にはファンにしか楽しめない同人誌のような映画を作って内側に閉じこもっているようにしか見えず、自分たちで自分たちを褒め称えるような映画を作るようではターミネーターというブランドを自ら堕落せしめているといっても過言ではないはずだが、何故だ。何故こんな映画が大絶賛されてるんだ、意味がわからない。ターミネーターファンというのはよほど思考が硬直化しているのではないか。無論映画史に残るような傑作なわけも無く、なんども言うようだがターミネーターというブランドに泥を塗ったくるのに一役買っているのがこの映画である、ということになるであろう。
アクションは面白い部分もあったが、まあ、別にこの映画ならではという類のものでもなく。