ヴィンランド・サガ 10
- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: コミック
- 購入: 10人 クリック: 606回
- この商品を含むブログ (72件) を見る
人間は寝ている間に思考や記憶を整理し、その副産物としてみるのが夢であるそうだが、だとするならば爺さんと友人に語り語られることで、トルフィンは結論を得たわけだ。夢のなかで言葉を反芻して、自分で、得たわけだよな。
だが、自分で得たはずのその結論を、親父とアシェラッドに「教えてもらう」という形を取るのがトルフィンの大人になりきれていないところであり、本当の戦士になりきれていない部分なんだろう。無意識に、まだ保護してくれる人を求めているとでもいうのか、こういうところも「カラッポ」ということになるんだろうけど。
「こうやって生きていけ」という指針を示してもらいたい。しかし、それは自分で考えねばならないのだ。焦ることはないが、しかし自分で前を向かねばならず、そうやって少しずつ親父の夢を見なくなり、アシェラッドの夢を見なくなっていくんだな。それが本当の戦士になるということでもあるわけか。
母親の夢は最初から見ていない、というあたりが恐ろしい。お姉ちゃんに可愛がってもらってた感じなのになー。あのお姉ちゃん超惚れるのに、もう出てこないんだろうか。