スターウォーズ EP3

洋画劇場でやっていたので観た。
Twitterの面白いところは、こういう放送を皆でリアルタイムにワイワイ言いながら観られるところだな。EP3におけるジェダイと共和国というのは色々いいつつも相当に腐敗していたと思うのだが、あまりそうは感じていない人が多いようで、ちょっと意外で、ジェダイの思想について考えるいい機会になった。
オビ=ワン・ケノービが最後の最後でアナキンにトドメを刺せなかったのも、映画版におけるヨーダやメイス・ウィンドゥのように時として冷徹な判断をくだせる人物たちと比べると人間的であり、そういう意味でジェダイとしては精神的に未熟であり、だからこそジェダイの腐敗に取り込まれておらず、生き延びた、という光景であったように思う。十数年ともに生きた弟を、敵にまわったからといって簡単に殺すような人間をはたして信頼できるかという程度の話であり、そういう意味ではヨーダやメイスの言う「ジェダイ」という集団は、まったく信用の置けない戦闘集団であったと考えざるを得ない。本来のジェダイというのはオビ=ワンのような男のことを言ったのではないかと想像するが、どうだろう。
また、メイスは「裁判所はすでにシスの手によって掌握されている」とするが、それを浄化するために猛然と行われるべき努力は怠り、巻き返しをはかることもせずに「私がこいつを殺せばすべてが解決する」という考えを持ち、それに執着し、にも関わらずどうやらジェダイは民主主義を背負って戦っているつもりになっているらしい、というのが面白い。完全にテロリストの発想だ。逆転の一手を打つにあたって、ヨーダが、まず暗殺を試みようとするあたりも、テロリストの考え方だな。
自分にとっての正義を貫くためには法すらも無視するのが正義か? 民主主義的か? と考えると、そうではないだろうと思われる。シスは独裁的だというが、事前の根回しは当然やるべきことであり、事前に議会(だっけ?)を手中におさめるべく政治運動を繰り返していたダース・シディアスのほうが結果だけを見れば明らかに民主的である、というあたりは明らかに意図された描写だ。それにより事実上民主的に独裁状態にまで持っていったわけで、どうやって議会を掌握したかというのは詳しくないのでそこ割愛したいが、しかし少なくともあのシーンにおいては、民主主義はあきらかにパルパティーン側にあったといえる。
などと、だらだらと考えた。フットワークが使えるシーンと、そうでなく足を止めて斬りあわざるを得ないシーンだと、ライトセーバーによる殺陣が当然ながら違い、カメラワークなども違うわけだが、こういうのは上手だよねえ、さすがというか。セガールも頑張ってるんだけど、こういうのを観るともうちょっとセガール映画は頑張れるんじゃないか、という気はする。スローモーションばかり使ってないでさ。