ファイナルファンタジーアドベントチルドレン
な、なんだこれ…。
僕がFF7が好きだったので期待し過ぎてたりとかそういうのは勿論あるんだろうけど、それにしたってこれは。肯定的なことを「まったく」書いてないので、読む人は自己責任でお願いします。

  • ストーリー面

「2年前には確かにあったはずの心の強さ」を「いつの間にか(=なんとなく)」失ったクラウドが、それを取り戻すために1時間半くらい費やした時点で既にアウトじゃないのか、これは。
これだと、2年前のジェノバセフィロスとの星を守る戦いに赴くときの心の強さなんてものは最初から存在せず、ただクラウドはあの時「その場のノリ」で戦っていたということになってしまうわけで、それだと今回の話は原作FF7におけるクラウドの精神的成長を全否定する話になっちまうってことがわからんシナリオライターでもないだろうに。
あと星痕症候群についてだけども、ヴィンセントの説明は典型的な感染症についての説明だから、星痕症候群についての説明にはまったくなってない。ジェノバ細胞を埋め込まれた連中に対する地球の拒否反応らしいってことはわかるんだけど、薄っぺらいストーリーのさらに表層を形作るために必要な設定だっただけなので、なくても充分話は構築できただろうと思う。

キャラ配置も正直どうかと思わないでもない。
デンゼルはマリンでも充分に置き換えが可能な立ち位置だったし、とってつけたように出演してきたかつてのキャラクターたち。敵キャラの全員が精神的に不安定だったり子供っぽい美形キャラという媚びまくったキャラ配置も酷ければ、その場の展開のために二転三転するキャラクター描写も酷かった。
スポットが当たった端からティファに殴り倒されたロッズは「弱いけどタフ・ガイ。強いのはロッズじゃなくてパイルバンカー」みたいな印象を与えるし、ヤズーはいなくても完全にストーリーが進む空気のようなキャラクターだし。
レノとルードは、原作において、どんな状況でも基本的にクールかつ機械的に対処に当たってたイメージがあるんだけどなぁ。少なくとも「ぬあああああああぁ」とかいいながらビルの壁面を頑張ってよじ登るようなキャラじゃあなかったと思うんだけども。
ときに、ユフィが恐ろしく乗り物に酔うという設定は完全スルーなわけですね?

  • アクション

とかそういう不満が頭の中で渦巻いている状態で見ていたので冷静に判断できている気がしないわけですが、まあいいや。
凄い凄いと各地で言われているので楽しみだったのだけど、まあ、確かに凄かった。凄かったけど、カメラワークに頼り過ぎてて何をやってるのか極めてわかり辛い上に、よくよく見てみるとジャンプしてダラダラと(←重要)斬り合ってるだけという恐るべき罠。バイク戦ではそのスピード感に頼り過ぎてた上に、よく見ると同じ構図が何度も使われてたりとかするし、そもそもなんでマテリア装備してねえのかもよくわからん。さりげなく水面蹴りとかドルフィンブロウっぽい技をアクションに混ぜこんでくれてるのは好印象ではあった。逆にクラウドは最後の超級武神覇斬と破晄撃らしき技しか確認できなかったのが切ない。
ヴィンセントくらい印象的に人外の動きをしてくれればまだ救いがあるんだけど、あとの連中は単純に「超身体能力」で戦ってるだけで、しかも油断しまくりだから、ちっとも凄く見えねえ。
ガキじゃねえんだからさ、ひたすら速い = 超凄い みたいな感覚はいい加減に捨てるべきだと思うんだ。時々動きをスローにして印象付けたりしたがってたみたいだけど、割と最近マトリックスあたりを見直した所為か、恐ろしくどうでもいい絵に思えた。印象に残ってるのはティファが鉄の扉に着地するあたりだけかな。つか、止め絵とかスローモーションシーンのほとんどが別の映画のどこかで見たようなシーンばかりだし。

  • 個人的に思ったこと
    • 美形以外は死んでいいよと言わんばかりのキャラ配置と戦力比が見ていてイライラした。僕の意識過剰だろうか。
    • ヴィンセントが変身してくれなかったのが納得いかねえ! ムキーッ!
    • かかずボイスのユフィが萌えた件について