はてな年間100冊読書クラブ:052

ちょうおもしれー。どうしても男性向けゲームという縛りがあった原作と違って完全にバトルロワイアルと同じ手法で各々の視点から話が進むので全体像が掴み易い。僕が原作に持っていた不満点のほとんどが解消されている。原作での設定的矛盾をうまいこと纏めているのも素晴らしいし、今までただの一人も出てこなかった「典型的魔術師」がようやく科学と対比する形で出てきたのもいい感じであり、理想的二次創作といった印象を受ける。アサシンの運用が超熱いのはもう流石に虚淵玄さんであるという他ない。
ただ、セイバーが読み違えたあたりと、ライダーがセイバーに加勢しようとするあたりはあまりにセオリー通りといった感じで少し消化不良感が漂う。イスカンダルは非常に魅力的なキャラクターではあるが、だからこそ単なる物語上の便利屋にはならないで欲しいところだねえ。