はてな年間100冊読書クラブ:068

軍師 官兵衛〈下〉 (講談社文庫)

軍師 官兵衛〈下〉 (講談社文庫)

だんだんと盛り上がって参りました。
とはいえ、筆法がいかにも稚拙であるのは何ゆえであろうか。「天才天才」連呼してから「天才っぽい描写」が繰り広げられるのはいかにも順序が逆であろうと思うし、いかにも最近の流行であるなと思った。つまり文章力は一山幾ら程度。
海千山千の強敵どもと渡り合うという関ヶ原の合戦前後の流れは面白くはあったが、それすらも冷静な視点から見れば共通認識に頼り過ぎる感があり、前巻において「戦は強いが到底天下統一の器ではない」とまでいった上杉謙信に関して、そのあとを継いだ男・上杉景勝とか今さらいわれても、天下統一の器では到底なかった男の跡継ぎだったら当然そいつも天下統一の器ではないよね、くらいにしか思えない。
僕はこの手の本における上杉勢がどれだけ熱いか知っているから読んでいて面白いのであって、そうでない人には意味不明であろう。
というか、こういう本を書いている割に、この作者の黒田官兵衛への評価は随分低いのな。関ヶ原の構想はもう完全に失敗だったって結論なのかー。
総評としてはこちらも☆2ツ。二度とこの作者の本は読むまい。積み重ね、という言葉の意味を知るべきであろうな。