はてな年間100冊読書クラブ:075

戦塵外史 二 八の弓、死鳥の矢 (GA文庫)

戦塵外史 二 八の弓、死鳥の矢 (GA文庫)

リディス萌え、というのがこの巻のすべてではなかろうか、実際。いやマジでマジで。
と、いうのも本日は割と冷静に読んだつもりではあるのだが、僕の好みに合わないのは描写云々というよりも作家の主義心情が色濃く(というより露骨に)出過ぎているからではなかろうか、と思った。
戦場の主の話も死鳥の矢も芝居染みた演出がいかにも目立ったし(ラノベっぽい格好良さを重視したといってもいい)、3巻ではそうでもなかったが、2巻時点だとフーシェが盲目であることの意味がまったくない。猛将ダヤンの強いシーンがまったくなかったのでそれを容易く倒したフーシェの恐ろしさも伝わらなかったし、「一番長い夜」には無駄な状況描写が多すぎて無駄にページを食った感がありありと。「策士の弟子」はフーシェが切れ物だからというよりはむしろセフィードが必要な情報を知らされていなかっただけのように見える。情報収集は戦略立てる基本だろうがっ、その情報収集をやらせなかったくせにミスが云々とか抜かすなっ。つーか戦場すぐそばを兵士に追われてる踊り子とかいう怪しさ全開の奴に謁見など許すわけがない。リアリティの希薄さはさすがGGG文庫というか。
あとはまあ、唐突にあらわれる歴史小説的書き方だろうか。そういうのがやりたいなら徹底してやればいいのに、思い出したようにやるから違和感がどうも付きまとって離れないってのは前巻からの感想なので、まあ繰り返しだねえ。