二週間休日なしで駆け摺り回ってると、疲労のあまり頭痛がする。
ことあるごとにいっている気がするが、とにかく、僕は子供のころから身体が弱かった。
熱を出したら立ち上がれず食うこともできず、よって気分が悪くて目を覚ましたはものの布団をゲロまみれにしそうになったことも一度や二度ではなく(実際には枕元に洗面器を準備してもらっておくのだが)、母親などは「これはもう死ぬのではないか」と考えて恐慌をきたしそうになったことがあるというから尋常ではなかったのだろう。しかし不思議と救急車のお世話になったことはないので、母親は恐らく母親であるがゆえの心配過剰であったのかもしれない。まあそれはいい。
面白いのは、この年齢になって、頭痛がするだのキツイだのといった基本的な体調不調はままあれど、熱を出すなどといったことがほとんどない、ということなのだな。熱っぽいけど我慢できねえほどじゃねえなー、的に放置することもあるので熱自体はちょこちょこ出ているのだろうが、しかしこうやって健康に生きていけるのは何よりの財産であろう。
病弱だった俺を強く育ててくれてありがとうございます、などと、口が裂けても目の前ではいえないけれども。いつか面と向かって言える日が来るだろうか。親父は長命の家計なのでアレだが、母親が老いてなにもわからなくなるまえに、言えるようにはならんとな、と思う。
...つうか、なんだ。
こういうことが思い浮かぶあたり、どういう気分なんだ、俺は。参ってるという感じではないが、人恋しいのかな。
だがこういうことをツラツラ考えてみるに、思えば、親父が熱だして寝込んだことなど一度も見たことがないことに気がついた。よほど頑強かよほど鈍いかよほど意地っ張りかのいずれかであろうか。やるな親父殿。これも家計によるものだろうか。