はてな年間100冊読書クラブ:097

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈1〉 (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ 九州奪還〈1〉 (電撃文庫)

ののみは相変わらず拉致って娘として育てたいくらい可愛いが、しかしそう思えばこそ、物欲しそうに「どっちにしようかなぁ」などと口に出して考えている女の子に、金などいらんからタダで持って行けなどという提案をするのは教育に悪いのではないか、などと考え、しかし戦時中の感覚だとどうなのかなあ、とも考えた。生きるか死ぬかの毎日であるとするなら「将来的な教育なんか知るかよ」というスタンスで子供に甘いものをプレゼントするのはいかにもありそうで、俺も実際やっちまいそうだから、そういう意味では俺がどうこう言う権利はあるまい。
しかし、ののみはGPM時点で9歳だったか。実際には成長するって話だから、九州奪還作戦時点だと10歳くらいであろうから、うーん、教育云々はそもそも微妙なところではある。ただ「ののみはせんよくちょーだからちゃんとかうのよ」と、笑顔で断ったあたりは、ののみがいかに様々な大人たちにキチンと愛されて育ってきたかがよく伝わる素晴らしいエピソードであろうと思った。
いきなり話がそれ過ぎた。
しかし、がんばって叩きあがってきた連中やら士官学校でてブイブイ言わしてきてようやく前線に出てきたような連中が、戦場を体験したとはいえ学兵ごときにアゴで使われるのはさぞかし憤懣やるかたないであろうと思った。軍閥闘争などはGPMのファンとしては端の端であり、真実読みたいのはそんな内容ではないだろうと読み終わった今にすれば思うのだが、それでも読んでいる間はそんなことは思わないあたり、俺はさぞかし榊ガンパレを好んでいるのであろう。
物語がどれくらい進んだか、といわれると、ほとんど伏線張りに終始した、ということになろうが、さて、しかし山口防衛戦でなんとなく終わる気がしていた榊GPMがまだ続くらしいというのは歓迎すべき事態ではあろうな。wktkしながら待つとしよう。