はてな年間100冊読書クラブ:099

軍師二人 (講談社文庫)

軍師二人 (講談社文庫)

再読。「城塞」とか「関ヶ原」みたいなほとんど群像劇の体をなしている作品とかもそうだし、「尻啖え孫市」とか「燃えよ剣」とかのように明確に主役が定まっている作品でもいいが、司馬さんの真に面白いところは積み重ねの妙味であるのだな、と思った。
面白くなかったわけではなく、事実、燃えよ剣の次あたりに(つまり上記三作品を読む前に)読んだときは「こんな面白い本があるとは戦国時代恐るべし」と思って戦国物を読み出した程であるのだが、それらすべてを読んだあとに読んでみれば、さほどでもなく感じる。単純に群像劇とかヒーロー物が好きなだけかもわからんし、城塞の直後に読んだので、タイミングが悪かっただけかもしれんという気もする。どちらもメインは大坂の役だし、他の短編はそこそこ面白く感じただけに、なおさらそう感じる。