はてな年間100冊読書クラブ:005

む。随分簡単にウェールズを使い捨てたな。もっと引っ張るかと思った。
重要な点はカエル。モンモランシーの使い魔がカエルだという点に尽きるであろう。というよりも、カエルだという時点で気がついたというべきか。
カエルってのは意外と長生きで、飼われた環境であれば30年ほど生きた例すらあるくらいなのだが(もちろん種類によるけれども)、使い魔の寿命というのは実際どうなるのだろう。ジャイアントモールとかサラマンダーの寿命が長くて違和感があるわけではないが、カエルとなれば話は別だ。伝説のカエルでも呼び出したのでさえなければ、連れ歩くことが前提であることを考えれば概ね10年もせずにカエルのロビンは死ぬであろう、と考えるのが自然である。成人して一番大切な時期であろう20代半ばになってほぼ間違いなく死ぬ使い魔などを、たとえば俺だったら使ったりするだろうか。契約前になんらかの形でこっそり契約をせずに野に放ち召喚をやり直すくらいのことは当然やるのではないか。あるいは、前述のグリフォン部隊とかにも関わってくるが、ルイズが知らないだけで殺さずとも契約解除や多重契約の手段は普通に存在する、ということにもなり、おそらくそれが一番可能性が高いのだが(実際俺が読んだ時点で多重契約が不可能だという言及はされていなかったはずだしな)。
しかしそうでない、とした場合、あるいは、20年後、30年後になり、ルイズが少女から女性となり母親となり、可愛い可愛い孫たちが遊びに来るのを心待ちにするような未来になってもなお、才人には老いが訪れない、ということはないだろうか。いや俺がそういうエンディングが大好きなだけなので、なんとかしてそういう結論に持っていきたいだけなんですがね。
ルイズが旅立って、才人が最後のお休みのキスをした瞬間、目を開けばそこは現代日本であり、パソコンを持って家に帰る途中であるのだ。とある女性の胡蝶之夢の如き長い長い夢を傍らでずっと見守った少年は、温かい夢の記憶とともに、これからも生きてゆく。的な。