はてな年間100冊読書クラブ:027
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/12/26
- メディア: 文庫
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幼き日の荒木又右衛門といい、九度山の真田一党といい、わざわざこのタイミングで出てくる意味がよくわからず、物語的な意義はほとんど皆無といってよかったが、しかし1巻から続く場当たり的な事件発生の流れにそって、現代はとにかくとして当時超人気キャラクターであったところのこの二人が出たことで、当然読者は「おお!」と思って軽く感動したであろうことは俺にも想像がつき、武蔵とわずかでも縁があったと思えば、そういう読者の中で、ただでさえ好きなそ奴らと並んで宮本武蔵が脳髄に刻み込まれたかもしれんな、とも思える。
つーか宝蔵院よえええええええ。いかに戦場慣れした武士が相手とはいえ、仮にも子弟内で断トツ強い人間が「どう考えても勝てぬ」といったような敗北感を抱いた、っていうのはどうなんだ。さぞや名のある武辺者(たとえば塙団右衛門とか)であろうと思ったが、これは真田を持ち上げ過ぎているのか、おれとも俺が知らないだけで武勇で有名な男なのだろうか。google先生には知らんといわれてしまったが。
あと柳生が結局戦わなかったのが切ない。
〆は、流石だなあ。余韻を残したこの終わり方が大好きなのは、ドラクエとかで、最後にまた旅立っていく屈強な戦士たちの背中へ漠然とした憧れみたいなものを刷り込まれているからだろうか。あまり自覚はないが。