はてな年間100冊読書クラブ:033

捨て童子・松平忠輝(中) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(中) (講談社文庫)

司馬遼太郎を読みなれていると家康がいい人みたいに描かれているのはむしろ新鮮であり面白いな。
大久保長安事件が終わって、結局は路頭に迷うのかよオイ、と思ったが、無責任だとわかっているならそれなりの対応はしてしかるべきではないかと思うが、そこら辺も全部まとめて「鬼子様は自由人だから」で片付けてしまうのはいかがなものか。
島原の乱は宗教一揆というよりも政治的意味合いが強かったとはいえ、結局改易の直後(と言っても乱は1635年だから二十年ほど時間が空いているが)に切支丹一揆がおこっているだけに、切支丹は蜂起などせぬという断言はいまいち説得力に欠ける気がしないでもない。
などという不満はしかし、僕が全面的に松平忠輝に対していい印象がないからであろうから、今後信長の野望とかで大阪の役シナリオでもやるときに松平忠輝を使い倒して好印象を持ちなおしてから読み直せばまた違うのかもしれん。
あと僕は伝奇伝奇した伝奇があまり好きではないのかもしれないなー、と思った。いや忍者なんですがね、あまり暗闘ばかりするのもどうかと思うわけですよ。山田風太郎先生のいくつかの著作のように忍者中心の話であると銘打たれているならいいんだが、そうじゃないわけだしなー。