センゴク天正記(4) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク天正記(4) (ヤンマガKCスペシャル)

なんつーか、この漫画にのめり込めないのは恐らく死に際を魅せようとし過ぎているからであって、斎藤龍興のときは、まあ、部隊を率いていたわけでもなしに、死ぬにあたってせめて見栄を張って死ぬというのは感情として自然な流れだろうとは思うので別に気にはならなかったが、今回の山県は誰がどうみても犬死であろう。大将格がひとりで突出して部隊を放置して伝令に走ったあげくに討ち取られてしかも命令伝達も不徹底とか寒々しいにもほどがある。世間ではこういうのが格好良いのかな。わからんなあ。リアリティを売りにしてたって、こういうシーンが一番目立つようじゃ方向性が間違ってるとしか思えない。
完璧な作戦をしたところで負けることはある、とかというのも負け惜しみ以上ではないなー。信長は武田軍の動きを計算に入れての作戦だったのに対して、勝頼は織田軍がこうくるとは予想できてなかったわけだからなあ。あげくその発想のスケールで負けた点については記述せず、勝頼は巻き返しを図ることすらせず特攻しようとしたりとかそういう精神的な結論に持っていくあたり、異論異説を打ち出そうとするにはあまりにも陳腐ではないかと思うが。
センゴクの最初期はこんな漫画じゃなかったんだけどなー。なんでこういう漫画になっちゃうのかなあ。