センゴク外伝 桶狭間戦記(2) (KCデラックス)

センゴク外伝 桶狭間戦記(2) (KCデラックス)

金融発達に関して力説するのはいいんだが、説明するんならもう一歩踏み込んで「それによって各国はどういう政策をとったか」くらいまで書いて欲しいなあ。重商主義から来る楽市楽座とか貿易とかもそうだが、甲斐武田氏の鉱山開発と関所の通行税の話は割りと有名だと思うし、没落勢力と勃興勢力の対比とかが入るだけで全然違うと思うんだが、折角土岐家が出てきたのにその辺全然触れないのはどうなんだろう。システムだけ語れてもどうかなという気がする。かつ、俺のソースが古いのかもしれないが、全体としての農業生産自体も人口も急上昇していたというデータがあることには触れないのな。意図的なものだろうか。
銭と恐怖も、随分と穿った書き方してるなあ。享禄年間の上杉という例示もアレだが、この書き方だと「恐怖or銭」であって「恐怖and銭」ではないので、そりゃ支配がうまくいかないのも当然だ。
こういう漫画が書きたいなら現代劇にして、古戦場を歩いて当時に思いをはせる……みたいな話のほうが圧倒的に面白くなると思うが、それだと最大の売りが失われるからやれないんだろうなあ。辛いところだ。