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- 作者: 風野真知雄
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/04/13
- メディア: 文庫
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なにが斬新過ぎるって、宇喜田秀家がここまで英雄扱いされているのが斬新過ぎて感動すらする。梟雄・宇喜多直家の息子というところに最も主眼が置かれており、真田幸村がほとんど驚き役に徹するほどの器量の持ち主であろうとは、何度もいうがあまりに斬新で面白かった。自らの狂気にまで追い込み、なにもない島で時の流れから隔絶されながら生きてきた関ヶ原から大阪の陣までの十五年間、自らを自らで狂気にまで追い込み家康への憎悪の念を持ち続けたというあたりにはもう感動すらする。信長の野望だとステータスはまあ低いというほど低くもないが、あの時点で既に一流どころがゴロゴロいるせいで使われない程度の能力値しかないわけだが、データを弄りたくなるほど秀家が輝いておるわ。内部抗争であれだけのことをやってしまった男をここまで鋭利に描けるものか。すげーな。老人性疾患で大変なことになっていたはずの島津維新入道がピンピンしているのもまた、そういう偽情報を流しておったのであろうと思えば面白い。
つか、よくみたら「我、謙信なりせば」の人かこれ。一緒に「水の城 いまだ落城せず」を買ってきたわけだが、どちらも面白かったのでこれも期待できそうだ。