戦場のピアニスト

戦場のピアニスト [DVD]

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「借りてきた。観ようと思って」と友人に話すと、「何ゆえ今さら」と言われた。もっともだ。
この手の自伝を映像化したような映画ではありがちな話だが、面白くなるまでが遠過ぎるんだなー。2時間ちょっと尺がある中で最初30分くらいまでが苦行同然というのは映画としてどうなのだろう。史実に沿っていくのは仕方がないとしても、少しずつ苦しくなっていく生活に緊迫感がどうも感じられないのはどうしてだろう。こう毎度毎度だと、視聴者たる俺の側になにか問題があるのかもしれない。心情的に、とか。
で。
で、この映画だと収容所送り直前に連れてこられたユダヤ人溜まりみたいな小さなフェンスの中だったが、こういう割と絶望的な状況下で、この中でさえ金儲けをしようとしているガキが出てくるのが面白い。状況が状況なだけに法外な値段でも割りと売れていたようだが、この状況下での大金ってーと、やっぱり賄賂に使うつもりなんだろうなあ。なるほど、極限状態で生き残れるのは、こういう連中なわけだな。「金さえ貯めときゃいつか役に立つ」という奴か。
あとは、何処が面白かった、という話がし辛い映画だった。エアピアノとか、恐るべきストレスに晒され続けていたりとかしただろうし、生き残ったのも基本的にほぼすべてが幸運によるものだったりするのだが、その偶然具合を描くのがうまい、というのと妙な褒め方になるだろうか。あとエアピアノのシーンはすごかった。精神的な追い詰められ度みたいなものがにじみ出てくるいいシーンだった。
まあとにかく面白かったす。次はなにをみようかなー。