はてな年間100冊読書クラブ:036

ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)

ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)

随分と前に翻訳されたということで不自然さが目立つという評判なのだが、あんまりそうは思わなかったあまり、僕は西洋の本を読みなれていないのか。それとも自分で思っているよりもずっと細かいことは気にしないのか。
あるいは、酷いライトノベルのごときものに比べればずっとマシであると、心の何処かで考えているのだろうか。
つうか超面白い件について。たまらんなぁ、あしながおじさんなどを読んだときも思ったが、不朽の名作といわれているものは不朽の名作足りえるだけの魅力はやはりあるのだなと感じる。
二重人格について語られるときにこの作品の名前が出てくることは割と多いが、実際には世に言う解離性同一性障害などとは大きく違うものであるのだが、これは1886年という多重人格が世に広く知られる前の本だからなどではなく、作者がそもそも普通の人間の二面性について意図を持って描いたものであるのは明らかであるようにしか思えない。いや、言わんとすることはわかるが、これを多重人格の用例として書くのは明らかに間違いだろう。
そして、1886年というとジョジョ1部と概ね同じ年代だな、などと少しでも考えた俺に災いあれ。