はてな年間100冊読書クラブ:052

徳川家に伝わる 徳川四百年の内緒話 (文春文庫)

徳川家に伝わる 徳川四百年の内緒話 (文春文庫)

当然ながら歴史マニアが今更買って読んで大喜びといった類の本ではない。徳川の分家ともいえるような家計にそんな面白いエピソードが残っていればそんなものは既に発掘され、発表されているはずであり、そうであるならば徳川宗英氏の家に伝わっているのはちょっと詳しい歴史マニアであるならばおおよそ知っているか、あるいはどうでもいいエピソードということに自然となっていく。
つーても、俺などは歴史マニアというよりもむしろ戦国ファンといった趣であるため、知っていること、当然推測してしかるべき部分であるため驚くにはあたらなかった部分とかも色々とあったが、面白かった。特に筆者の爺さんの爺さんが江戸時代の人、とかそういう、まあ年代的に考えれば実際あたりまえなのだが、そういうリアルな話をしてもらうと幕末とかがぐぐっと身近になって素晴らしいと思うんだ。俺が俺の婆さんに乃木将軍の罵詈雑言を耳元でさんざんわめかれたのとまさに同じように。婆さん何歳だよとか突っ込むのは禁止だぜ。
しかし徳川に生まれて得に思ったことはほとんどない、という割にはこの手の本を数冊も出しておられるのだな。徳川に生まれたことを楽しもうという主張を感じる。