カブのイサキ(1) (アフタヌーンKC)

カブのイサキ(1) (アフタヌーンKC)

作者買い。「ヨコハマ買い出し紀行」は不覚なことにまだ読んだことないんだけれども、何人か「こいつが面白いというなら間違いない」という感じの、要は価値観を大いに信頼する友人知人がいるのだが、そいつらがどいつもこいつもベタ褒めなので面白いのであろう、そして、ほう、同じ作者か。じゃあ買ってみよう、というくらいの流れで買った。
どういうわけか地面が10倍に広がった世界、という超展開からスタートするふんわりした世界の話、という。しかしふんわりした世界というのはたぶん作風なので、ヨコハマ買い出し紀行もたぶんこういう感じなんだろうな。こんなにフキダシが少ない漫画は久しぶりに読んだ気がするなー。
関係ないが、今にして思えばファイアスノーの風が瞬く間に終わったのは、作風は勿論だが当時にしては驚異的にコマ割りが細かくてフキダシが多かったからのような気が最近してきた。
流通とかライフラインとかどうなってんだろーなこれ、とか、世界中がこれならオーストラリアとかは悲惨なことになってるんじゃないか、いや、そうすると地球が十倍ということで宇宙も十倍でないと太陽とか公転周期とか狂ってしかし単純に十倍になっただけではアレだし、いやそもそも俺の家近辺が十倍になってもこんな広大なことにはなかなかならないのでこの家が特別辺境なのかそれともこれは近未来が舞台なのかとか十倍になったことで世界大戦の歴史を歩まなかった世界なのかとかどうのこうの、というところにまず視点がいくのは漫画を純粋に楽しめてないのかのかもしれない。
とはいえ漫画自体も世界観を見せてる感じで、最終巻までこのノリで進むような気すらする自然さだが、アメリカは実は核で滅んでますとかいう超展開はなさそうな漫画なので、こういうものとして楽しめばよいのだろう、きっと。もうちょっと劇的なほうが好みといえば好みだが、次もたぶん買うー。