ヒックとドラゴン

hickトイレつまり
正直あまり観に行く気はなかったのだけれど、ゆうきまさみ先生がお勧めだというので観に行って来た。今日までの放映で、えらい遠くまでいった気になっていたが、冷静に考えれば車で40分くらいなので、他県まで駆けて行ったという咲岡先生ほどの豪傑には鼻で笑われてしまいそうだ。
あまり関係ないが、この公式サイトの予告ムービーは相当細かいところでミスリード誘ってんな。レベルが高い。
いやあ、面白かった! ストーリーはオーソドックスながら細かいところでよく捻ってあり、キャラクターの配置にも無駄がなかった。そして映像が。映像などは特にヤヴァイ。死ぬ。雷雲のなかでちょっとした島ほどもある巨大なドラゴンと繰り広げる死闘などは、もはや俺なども斧を引っつかんで飛び出して行かざるをえないという、そういう夢想をしてしまうレベルであった。こういう映画が、こういう映画こそが、空への憧憬をまさに形にした映画であるというべきなのかもしれない。
まあ実際にはヒック以外のすべてのバイキングがそうであったように、神々の戦いにも等しいその文字通り雲の上の戦いを、祈るようにして見つめるしかないわけだが。なにしろ俺は空が飛べない。ああ、しかし思い出しただけで鳥肌たってきた。
また、この手の映画にありがちな「理不尽なことばかりいう大人」という安易な悪役が少しも出てこず、意見の対立はあっても、例えば父親などは、俺くらいの年齢になってみればあらゆる行動が息子のために繋がっていることが容易に想像がつくなどする大変いい描写であった。固定観念から容易く抜けられないのは仕方がないとして、過ちは過ちと認め、恥じ、部族全員の前で躊躇なく息子に対して謝罪することのできる偉大な大人である。ヒックはこの父親から、これからも大いに学ぶべきことがあるだろう。
いやあ、超おもしろかった。口コミで全米ヒットしたという話も伊達ではない。二度三度観に行くことをねだる小学生が多いという話だが、さもあろう。俺もいきたい。
カンヌの凱旋上映を九州では唯一長崎でやるようだが、長崎くらいならいってもいいな。また大画面でみたい。